神社にお参りに行ったとき、神主さんの袴の色が気になったことはありませんか?
白や水色、紫など、どうしていろんな色の袴があるのでしょうか?
実は神主さんの袴の色は“位”や“役職”によって決まっていたのです。
今回は神主さんの袴の色の違いについて、お話していきます。
神主さんの袴の色で位や役職が違う?!
神社で働く神主さんは“神職”の資格を持っています。全国に数か所ある養成機関で教育を受け専門課程を修了することで、一番低い階位の資格を取ることができます。そして経験を積むことで次の役職へと位を上げていくことができるのです。
この役職名を『職階』といいます。
神職にはこの『職階』の他に『身分』と『階位』という3つの位があり、主に『身分』によって袴の色が分けられています。
見習い・事務員
まだ専門課程を修了していない見習いや事務員さんは、真っ白な袴や松葉色(まつばいろ)という濃いグリーンの袴を着用します。
三級・四級
神職として神社で奉職を始めた神主さんは、まず四級を与えられます。
四級と三級の袴の色は浅黄色(あさぎいろ)という薄い青緑のような色の袴を着用します。
二級
中堅の神主さんになると二級を与えられます。二級の袴の色は紫色になります。
二級上
二級の次は二級上となり、かなりベテランの神主さんということになります。
二級と同じ紫色ですが、“八藤丸”という文様が薄く入ります。
一級
二級の神主さんが、さらに神社会に貢献したと認められると一級を与えられます。
一級になれるのは神職全体で約1%、200人程度しかいません。
袴は紫色に白い文様が入ります。
特級
伊勢の神宮トップである“大宮司”や神社本庁のトップである“統理”、または大きな神社の宮司など全国でも一握りの神主さんに特級の身分が与えられます。
白色の袴に白い文様が入り、一級に比べても一回り大きな文様が入っています。
一見真っ白ですが、光が当たると文様が浮かび上がり、同じ白色でも見習い神主さんの袴とは全く違います。
神主の女性の服装は男性とはまた違うの?
神主さんといえば男性のイメージですが、実は女性でもなれるのです。戦後に誕生から徐々に数は増えており、現在では全体の約10%、約2000人程が女性神職として奉職しています。
そこで気になるのが服装ですね。
昭和21年に女性神職の衣装が制定されました。
とても豪華なものでしたが動きにくいなどの不備があり昭和62年に改訂され、現在は宮中の下級女官の衣装をアレンジしたものを取り入れています。
女性神職も男性神職と同じように四級~特級の身分により色や文様が決められており、女性の袴である切袴(きりばかま)を着用します。
三級・四級 浅黄色の平絹
二級 紫色の平絹
二級上 紫色の固織物で藤丸文様入り
一級 紫色の固織物で藤丸文様入り
特級 白色の固織物で藤丸文様入り
神職は長い間男性の職業とされていたため、戦後に女性神職が認められてからもその道はかなり厳しい道のりでした。
今でこそ男女同権が当たり前の世の中ですが、神職の長い歴史の中で女人禁制を布いていた神社も多く、女性神職にとっては苦労が絶えなかったようです。
しかし女性神職が誕生してから70年以上がたち、その間に奉職した人々の努力が実を結び、近年では女性神職が宮司に就任するなど大きく変わりつつあります。
これから神社で女性の神主さんを目にする機会が増えるかもしれませんね。
まとめ
神主さんの袴は位や役職、また女性と男性によっても色や模様が違うことがわかりましたね。
最近では御朱印巡りも人気で、実際に神社に行ったり、テレビなどで神社や神主さんを見る機会も多いと思います。
これからはぜひ、神主さんの袴にも注目してみてくださいね。
コメント