大使館と領事館の違いってご存知ですか?
普段の生活で関わることはほとんどないので、知らない方も多いと思います。
イメージとしては、海外旅行に行ったとき、パスポートを無くしたり何かトラブルに巻き込まれたときに駆け込むところ、といった感じですよね。
実は、大使館と領事館には違いがあるんです。
今回は大使館と領事館の違いについてお話していきます。
大使館と領事館にはどういう役割があるの?
日本の大使館や領事館が世界の色々な国にあるように、日本国内にも世界の色々な国の大使館や領事館があります。
大使館は首都である東京に集中しているのに対し、領事館は大阪に多いのだそうです。
それはなぜでしょうか。
『大使館』
大使館とは、国交が成立している国に、自国の特命全権大使を駐在させて公務を執行させる役所です。主に政府間の外交交渉や条約の署名調印などを行います。
『領事館』
領事館とは、領事の活動の拠点として設置される在外公館です。
領事とは、自国国民への行政事務や手続き(パスポートの発行など)や、相手国国民に対するサービスの提供(査証の発給、各種情報提供、文化交流など)が主な業務となります。
つまり、大使館は外交のための機関、領事館は国民のための機関ということですね。
外交の中心である大使館はその国の首都に置かれるのに対し、戦争や災害といった不測の事態におけるリスクを分散させるために、領事館は首都とは別の都市に置かれるのです。
ちなみに大使館はその国に1つですが、領事館は数に制限はありません。現在アメリカ合衆国には日本総領事館が14設置されています。
また大使館には領事サービスもあるため、パスポートが無くなったときにも駆け込むことができます。
海外旅行でなにかトラブルがあった場合は一番近い大使館か領事館に行くようにしましょう。
大使館や領事館がない国はある?もしトラブルに巻き込まれたらどうすればいい?
大使館や領事館が設置されているということは、その国と国交が成立しているということ。国交を結んでいなければ大使館や領事館は設置することはできません。また、外交関係のある国に必ず大使館があるわけでもなく、ある地域に1つの大使館があり、周辺の外交国と兼任する場合もあります。
では、大使館・領事館がない国や地域でトラブルに巻き込まれたらどうすればいいのでしょうか。
まず、近隣国の日本大使館・領事館がその国や地域の大使館業務を兼轄していることが多いので、兼轄している大使館や領事館に連絡しましょう。
また、一部の国や地域では警察や特定の組織が書類などを発行してくれる場合もあります。
しかし北朝鮮やパレスチナなど、邦人援護活動が極めて困難であったり、紛争などに巻き込まれる可能性もあるので、そういった国への不要な渡航は避けるようにしましょう。
まとめ
大使館と領事館には役割の違いがあること、すべての国に大使館や領事館があるわけではないことがわかりましたでしょうか。海外で何らかのトラブルに巻き込まれたときには、大使館・領事館どちらでもサポートを受けることができますので、海外旅行に行くときには、事前にその国の日本大使館や領事館について調べておくと安心です。
トラブルには巻き込まれないことが一番ですが、もし何かあった場合にも落ち着いて、大使館や領事館に連絡してくださいね。
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